歌舞伎の本

「歌舞伎衣装展図録」

どこかのブログで紹介されていたこの本。どうしても欲しくなっていつもの「日本の古本屋」で検索。お手軽な値段だったので手に入れた。

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メジャーな芝居の衣装を詳しく掲載。図も美しい。柄は観たことあってもどんな名称なのかがよくわからずにいつも悩む私には勉強になります。着物は生地の違いも重要なので悩ましいことが多い。

これまでも何冊か衣装系の本は集めてきてるけど、今年の「かぶき手帖」には絶版になった書籍のことも書かれていたので蒐集癖に火がつきます。

「歌舞伎の衣装」 国立劇場監修・婦人画報社 S49年発行

「歌舞伎衣装附帳」松竹衣装株式会社 H3年発行

「歌舞伎衣装」松竹衣装株式会社 H9年発行

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神田古本まつり

月曜日から風邪を引いて、熱が上がったり下がったり。最初は喉がやたら痛いだけだったののに、金曜日には分刻みに声が枯れてきて、最後の方の診察では患者さんにも気の毒がられる始末。土曜日に至っては全く声が出なくなった。休みで良かったよ全く。
体調はそこそこ良いので、こっそり神保町へ出かける。こっそりて。

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予想はしていたけど、とにかくものすごい人出。
靖国通りの歩道は歩くのも大変、どの棚にも人が群がっている。こんなに古本好きな人がいるなんて驚きです。がんばってるなー神保町。

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上の写真ではあまり伝わらないけど、ほんとに棚を覗くのだって大変でした。

買ったのはこちら。

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今、皇族・昭和・戦争などに興味があって色々読んでいるから買いました。定価よりちょっとだけ安かった。上下巻の色合わせがステキ。帯の写真は個人的には好きだけど「映画制作時の最重要資料文献」ってフレーズは果たして売り上げに貢献したのだろうか。これを買った村山書店では「講談社学術文庫No1~No1500を一括販売します(価格相談)」って張り紙がしてあった。一体幾らになるのか。

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かげろう文庫にて。500円。歌舞伎の衣装特集、どれも美しい。表紙は坂東三津江所用・国立博物館蔵、夕霧の衣装「海老注連縄若松文様裲襠」

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豊田書房にて。なんと主な店内の本3割引きでしたよ。1600円。もっと高いやつも買えば良かったなぁ。こちらは先代松緑・勘三郎などなどの芸談集。

 

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2008.10月 京都その3 天神さんと下鴨神社

雨が上がって良かった・・・。薄曇りの中、8時ぐらいに到着。

着物類は沢山出ていたけど、あえて目を背ける。旅の者なんで。
しかしどこを見てもステキ着物女子がごそごそ宝探しをやっていて、悶えつつやり過ごしました。良く覗いているブログの着物美人のお姿を拝見することが出来ただけでも私は十分満足です。えぇ。

買ったのはこちら。

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毎日新聞社発行の「歌舞伎十八番」限定本です。よりによってどでかい超大判を買ってしまいました。旅の者なのに。

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なぜここの写真を撮ったのかもよくわからない。「健康食品 ○○スチツク」ってきになるわー。プラスチツク?

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お昼近くには結構日が差して暖かくなり、彼もうたた寝から起きる気配が全くない。番犬の意味なし。

その後モロモロ仏を観て、御苑近くのホテルに戻ってから北大路まで北上。用事を済ませてもまだまだ時間あったので、行ったことのない下鴨神社へ向かう。

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なにがびっくりしたって社に至るまでの「糺の森」のこんもりさ加減です。参道で一番心震えました。どんな豪奢で美しい神殿の前よりもここに立つ方が、自分の力の及ばない何かでっかい存在を感じられそう。

神社って寺に比べて、視覚的衝撃度が低いと思う。
ご神体そのものを表す術がないから、なんとなく物足りない。その分信仰を広めるには不利だわ!と考えていたけど、どうもそうではないらしい。

いろいろ考え込んでいたら、虫に刺されたのだった。

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下鴨神社の古本市にいつか行ってみたいなぁ。


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仮名手本忠臣蔵の本

平成中村座でまた観る機会があったので、忠臣蔵関係の本を読み返しているところ。

「忠臣蔵」 戸板康二 創元選書

史実といかに違ったのか、創作された経緯、その演出と演技などに分かれてとても詳しく書かれています。歌舞伎に移行する前、人形浄瑠璃のことも。
本物をみた後だけに「演出と演技」の項を特にじっくり読み返しました。大序に突出された儀式性について「元日の朝に来る新聞に配達される新聞を、なんとなく連想する。型にははまっているが、日本人の改まった気分に、それはある種の刺激を与える。」と書かれています。表現が面白いよなぁ。やっぱり戸板康二大好き。


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「歌舞伎の見方」 金沢康隆

あいかわらず、この金沢さんがどこのどなたなのかわからずにいる。最初の「俳優の周辺」での毒舌が魅力的で他の著作を探していました。今回読んだのは「歌舞伎の見方」。昭和30年代の演劇界などへの寄稿集みたいです。

30年代といえば、元祖海老様の十一代目團十郎襲名が今か今かと待たれていた時代です。團菊の時代がとっくに終わり、戦前・戦中の歌舞伎界を支えた六代目や十五代目羽左衛門が戦後に他界、七代目幸四郎の三兄弟、海老蔵・八代目幸四郎・松緑が歌舞伎界の中心になろうという時でしょうか。

この金沢さんはもうこの30年代の歌舞伎界すら気に入らなくてしょうがない模様。「近代歌舞伎とやらもいいが、起爆剤としてヒロポン打ちすぎると身が持たない」みたいなことを書いています。過激・・・。他にも夏芝居について「桟敷の簾戸に夏の訪れを漢字、簾戸越しに吹き込む川風にゆれる幕を見て、夏芝居の涼味を満喫するよりも、密閉した冷房場内に肉体的冷却を受けて厚綿の芝居を案外平気で見ているのが、当世観客気質なのである。」とさ。
現代の歌舞伎界を見たら金沢さん卒倒するかも。でも読み進めてみると、今の舞台はむしろ昭和初期のやり方を尊重しているのかなと思います。仮花道や女形の台詞廻しなど。

一番気に入ったのは幕末に黙阿弥とタッグを組んで一世を風靡した小団次が由良之助を勤めるに当たっての口上を述べたところ。
当時は歌舞伎の演技において人柄の重要性、つまり見た目似合ってないとダメだと思われていたことから・・・小柄な小団次は「私など相勤め候はば、御見物様方の思召に小団次の由良之助は開帳場の世話役か、棟上げの職人めき由良蔵とか由良吉とか名を替へ候はねばうつりが悪く小さな形で大きな役をよせばよいにと仰せあるは必定・・・」とふるった口上を述べたそうです。

小団次を観たことないけど、慇懃無礼な感じが目に浮かびます。

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「歌舞伎の視角」 加賀山直三

前に読んだ本ですが、今月「加賀見山」を観てこの本のことを思い出しました。加賀見山の岩藤・尾上・お初の3人の女について面白いことを書いているからです。

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「”三主役の持つ封建期の社会性”それはつまり、階級・身分・境遇である」とあります。

岩藤・・・中以上の武家娘の行く末
尾上・・・裕福な町人娘の高等教育
お初・・・貧しい武家娘の処身法

岩藤は、奥向きでは家来として最高の地位ともいうべき年寄。通常は武家出身で、一生不犯の覚悟を持って御殿勤めで終わる女。「彼女たちは、多く容貌もまず恵まれた方ではなく、自分の家より地位の低い家に嫁ぐのは気位が許さず、といって、いかず後家で我が家に残って一生を持て余し者の居候で終わるのも潔しとしないために御奉公するといったのが大部分であろう」

なかなかひどいこと書いてますね☆

それに対して尾上は裕福で、御殿勤めも箔付けのための一時出仕であることが多い。物質的には恵まれていても、階級制度では常に武家に対して劣等感を抱かざるをえない商家の娘。この物語の尾上は受け身な人だから、自身が明らかな劣等感やそれに反比例する物質的優位を自覚していたわけではないだろうが、その親孝行な彼女はきっと両親の価値観にも従順だったのではないかと。

最後に初。階級的には武家の娘でその誇りを忘れていないが、徹底的に資力に欠ける。尾上には敬意を示しているけれど、相手によっては断然その誇りなり気概が顔を出す。そういった人間が相当量いただろうと書かれています。

それぞれの階級の女達がまさしく三すくみの状態で舞台であがる構図が、この舞台の面白さだというのですよ、加賀山さんは。

私としては、単なる忠臣蔵の女版と言われるよりも納得できました。こんな風な複雑な構図があるからこそ、当時も宿下がりの女中達が熱狂したのだと思います。また、今の職場にも当てはまること、あるなあなんて思ったり。詳しくは書くまい。

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「明治劇談 ランプの下にて」 岡本綺堂

前に一度読んだけど、再販されているのを見つけたら、文字も大きくこりゃ読みやすいってことでまた読む。

じじいが昔の芝居の話をするからには電球よりもランプの下がお似合いだろうよという意味の「ランプの下にて」。これが発刊されたのは昭和10年ですから、岡本綺堂の言う昔というのは今からすりゃ曾祖父の時代かな。
九代目團十郎との出会いあたりから始まり、明治36年のいわゆる團菊の死で終わります。一つ一つ軽いエッセイ風なんだけど、巻末の年表が勉強になりました。最近のマイブームである渋沢栄一関係の本を読みあさっているから今かなり明治押し。

三代目澤村田之助が両足・両腕切断してついに狂死したのが明治11年、この年には大久保利通暗殺。團菊が相次いでこの世を去った明治36年は藤村操が華厳の滝に投身自殺を図った年でもあります。などなどとにかくどこぞの誰ががいつ死んだがかがよくわかる年表です。便利。何に?

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「半ズボンをはいた播磨屋」 中村吉右衛門

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軽いエッセイだと思って読んだら、結構すごかった。赤裸々っていうかなんていうか。
その生い立ちの複雑さや優等生の兄の存在から、かねがね播磨屋には大らかな外面に反してどす黒い内面があるのではなかろうかと思っていたが、やはりな。
作品名に由来する高校生時代のエピソードとか、今ここでこれ書く必要あった?と突っ込みたいぐらい。ちょっとマゾだと思う。
播磨屋の大蔵卿見たくなった。

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「歌舞伎百年百話」 上村以和於

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河出書房。團菊の死から始まる歌舞伎の百年。一年が見開き二ページにまとめられています。これは本当に面白かったです。今までの自分の歌舞伎の歴史についての知識が整理できました。近代日本の歴史の勉強にもなります。ベタベタポストイットがついてます。

たとえば歌舞伎座のこと。
今まで歌舞伎の小屋といえば市村羽左衛門が座主の市村座、中村勘三郎が座主の中村座・・・というのが当たり前だったのに、「歌舞伎をやるから歌舞伎座とは、なんとまあストレートというか、無粋というか・・・。」

十一代目団十郎の話はどれもよい。
サザエさんの長谷川町子が海老蔵ファンで、サザエさんにも海老蔵ネタが出たとか、皇室のドラマである「源氏物語」を初めて演じた衝撃とか。ようやく襲名した昭和37年、亡くなった40年の所は泣けました。

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「俳優の周辺」 金澤康隆

一誠堂で見つけた本。昭和31年発刊、演劇出版社。
金澤康隆氏とは一体誰なのだろう。どこにも書いていない。

「役者と眼」「役者の鼻」「役者の足」など目次から面白そう。

十五代目羽左衛門について「彼に流れる西欧人の素質が、日本人としては異質の、開放した喉の機能を発揮させたにちがいない」などと書いてあった。この頃は羽左衛門の父が日本人ではないということは公然たる事実だったのだろうか。

五代目菊五郎が「芝居気のない」「気が利かない」ことが何より嫌いだったという話。脳溢血で倒れた際に普通の担架に乗せられるのがいやで幡随長兵衛の家の場へ運ばれてくる水野の仲間そっくりに法被を着て、頭に大きな熨斗をつけた形に拵えて九代目団十郎に受け取らせるという趣向にしたが、医者に断られたんだって。

四代目半四郎の屋号は「大和屋」だけど、その前には「雑司谷屋」だったんだと。「雑司ヶ屋」ならまだわかるが。いやわからんか。

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